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平成17年11月24日 昨夜テレビ囲碁チャンネルで放映している、来春早々行われる女流棋聖戦挑戦者決定トーナメントの一回戦:謝依旻二段対、佃亜紀子四段戦を見た。 謝依旻二段については、最近女流最強戦で準決勝まで勝ち進み、小林泉美、青木喜久代、知念かおり、の次の時代を背負う、有望女流棋士が現れた事は知っていた。今年16才。今年の通算成績は28勝14敗で、女流と言うより四段以下では男、女を通じて断突の成績である。 とは言っても、始めは私は、どんな碁を打つのか、一寸見ておこうと言うくらいの軽い気持ちであった。 所が碁が序盤から、中盤に入る頃になって、私は久し振りに、これぞプロの碁と言う強い感動で夢中で碁の推移に見入っていた。最近、中国、韓国のプロ棋士の影響で、地にからく、読みの深い、よく言えば勝負強い碁に日本のプロ棋士は悩まされ、世界戦でもかつては日本の独壇場であったものが、昨今は、中国、韓国に痛めつけられている現状である。 こういう風潮の中で、彼女の打つ一手、一手はすべて本手、本手の連続で、そこまで辛抱して、地は足りるのか、と私はハラハラして見ていた。相手の佃四段は、どんどん地を稼ぎ、このまま何事もなければ明らかに有利な碁勢を築きつつあった。 しかし流石に地を稼ぎ過ぎては石が薄くなるのは止むを得ない。謝二段は焦ることなくじわり、じわりと相手の石の薄い所をとがめ、石を取る訳ではないが、各所で厚味の利得を確保していった。 この打ち方は50年近く前、本因坊九連覇の偉業を達成した、私の囲碁開眼のきっかけになった、高川秀格永世本因坊の棋風と全く同じである。部分的な損得にこだわらず、常に大局的見地から、何のケレン味もなく、本手、本手と打ち廻す彼女の姿はとても16才の少女とは見えない。結局、佃四段の稼ぎ過ぎのうす味をとがめて、謝二段の見事な中押し勝ちになった。 昨今のきびしい、地にからい打ち方全盛の中にあって、それは感動的な打ち廻しであった。高川本因坊の“流水先を争わず”が見れなくなって久しいが、これぞ私が渇望していた、本筋のプロの碁である。 |
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